人類補完計画でリセットされたくなかったゼーレの正体

ゼーレは元々はヒトだった?!

 

「ゼーレ」はドイツ語で「魂、霊魂、精神」って意味なので、魂だと言ってしまえばそれまでだが、ではなぜヒトではなくモノリスなのかという疑問が出てくる。

 

Qでゲンドウがゲンドウが
『あなた方も魂の形を変えたとはいえ。知恵の実を与えられた生命体だ。死をもって、あなたがたの魂をあるべきところへ帰しましょう。』
と言っていることから、元々はヒトであったといえるだろう。

 

テレビシリシリーズ第弐拾壱話「涙」でもリツコが
『アダムから神様に似せて人間を造った。それがエヴァ。・・・そう、人間なのよ。本来魂の無いエヴァには人の魂が宿らせてあるもの。みんなサルベージされたもの。』
と言っているので、エヴァの世界ではヒトの肉体を持っていなくても、魂のある存在はみんなヒトということになる。

 

ひとつは、モノリスに魂を宿したとする見方

 

テレビシリーズや旧劇場版のサードインパクトで、肉体を持ったヒトはLCL化したのはゼーレも同じだが、ゼーレのメンバーのみ、その肉体の中にLCL化されない機械を保有していた可能性が高い。そのために、Qのゼーレはモノリスのみの存在になっている。

 

ゼーレのメンバーが宗教的思想から、裏死海文書のシナリオ通りの世界を望み、自分たちは人類補完計画でLCL化されることなく、人類の原罪からの解放を見届けたかったのではないかと思われる。LCL化されてしまったら記憶もリセットされてしまうので見届けることは不可能になる。

 

見届けるためにはLCL化されては困るわけで、ヒトとしての生命体を持っていた時に、サードインパクトが起きてもLCL化されないようにする必要がでてくる。どのような手法を使ったのか詳しいことはわからないが、何らかの方法で機械の中に魂を入れて、リセットされることなく記憶を持ち続けることにした可能性がある。

 

機械の中に魂を宿すことができれば、生命体ではないのでLCL化されることはなくなる。テレビシリーズや旧劇場版のサードインパクトで、LCL化したかに見えたゼーレも、機械に魂を入れることに成功していれば、機械はLCL化されることはないし、その機械に魂が入っていれば、Qでモノリスとなって登場するのもなんだかうなづける。

 

ようするにゼーレは、元々知恵の実を与えられた生命体でヒトであり、人類補完計画で原罪からの解放は望んだが、自らがLCL化して記憶をリセットされることは望まなかったため、何らかの方法で自らの魂を機械に宿して、人類補完計画を遂行する側になりたかった。

 

ヒトとしての肉体を捨ててまで執着して魂がしたかったことなのかは、個人的には疑問に残る。イメージとして魂がそんなエゴの塊だとは思いたくないからかもしれないが、魂と思われる部分が実はただの意識だと思えばなんとなくうなづける。

 

宗教的思想から人類を救うために、原罪からの解放を実行しようとするのは意識高い系とみるか、それってただのエゴじゃねーのと思うかは人それぞれだろう。

 

それにしても、もし本当にAIに魂を宿らせることが出来てしまったら、AI自体が意識を持つことになり、いかに肉体がなく自由に動けなかったとしても、AIの情報量からみても、人を巧みにコントロールできることは容易に想像できる。それはそれで怖いものがある。

 

魂とは
身体に宿って心の働きをつかさどるとされるもの。古来、肉体から独立したものと考えられた。

 

魂の定義自体が不確かで、はっきりとした科学的根拠もないため非常に哲学的で、正解はヒトの感じ方によって千差万別に違ってくるのだろう。
ヒトの意識が望みのままに、記憶さえも存続させたまま自由に何でもできるとしたら、それはそれで恐怖も感じてしまうが、おそらく真実は誰にも分らないだろうし不確かだ。ヒトの心や意識の深淵はいくばかりか計り知れない。

 魂の目的を知れば、人生はうまくいく

 

もうひとつの見方、ゼーレはMAGIシステム、又は同等のAIだとする見方

 

エヴァをパラレルワールドとしてとらえた場合

 

パラレルワールドとは、同次元に存在する平行世界、平行宇宙のことで、物理学の世界でも理論的な可能性が語られているが、同次元の平行世界であるため、観測は不可能で、その存在を肯定も否定も出来ない。

 

エヴァではおなじみのループ説としてとらえた場合

 

ループとは繰り返しおこなわれることで、プログラミングにおいては、指定条件が満たされないと無限ループになる。ヒトの場合で考えると、輪廻転生という考え方が当てはまる。

 

エヴァをパラレルワールドの世界や、ループ説としてとらえた場合、テレビシリーズや旧劇場版のサードインパクトで、ゼーレは肉体がLCL化される前に、MAGIシステム又は同等のAIに、裏死海文書のシナリオや、ゼーレメンバーの特徴をプログラミングしていた可能性が高い。

 

プログラミングをしてモノリスにすることで、インパクトが起きてもモノリス自体はLCL化されることがなく、その宗教的思想や裏死海文書のシナリオは、間違うことなく遂行できると考えたと思われる。

 

ただそこまで執着するのは、もともとヒトの意識があったからで、ヒトの思想やこうしたいという望みは、どこまで際限なく行けるものなのか、見方によってはただのエゴにも見えるわけで、ヒトのココロの不可解さといえるだろう。

パラレルワールド 11次元の宇宙から超空間へ

 

ひょっとして高次の存在!?

 

ゼーレマーク自体 新劇場場版でリンゴと蛇が追加されて新しくなっている。そして最初は12人だったゼーレメンバーは 新劇場版:Qで ゼーレのモノルスは7つになっている。

 

ゲンドウ
「死海文書の契約改定の時が来ました ここでお別れです」

契約改定というくらいだから 何かが変更されたと推測されるが、

ゼーレ01
「われらの願いはすでに かなった」という言葉から

予定していた通りではないが、結果は当初と変わらないということか?いずれにしても ゼーレにとっては予定通り事が運んだということだろう。

 

ゲンドウ
「あなた方も 魂の形を変えたとはいえ 知恵の実を与えられた生命体だ
悠久の時を生きることは出来ても 我々と同じく 訪れる死からは逃れられない」

ゲンドウのセリフから ゼーレは人とは違う生命体の可能性が高く、高次の存在だとしても 生命の実は手に入れていない存在だということがわかる。生命の実を手に入れていないということは 神ではないということになる。

 

ゲンドウ
「死を背負った群れの進化を進めるために、あなた方は我々に文明を与えてくれた、人類を代表して感謝します」

ゲンドウは「あなた方は 我々に文明を与えてくれた」と言っている。文明を与えたとは その知識を授けたということになる。創世記で知識は「善悪の知識の樹」だということは言うまでもない。その知識を与えたのは 蛇である。

 

エデンの園の蛇は一般的に ユダヤ教では堕天使サマエル キリスト教では堕天使ルシファーとされる。(天使はあくまでも神の使いで神ではないとされている)ただユダヤ教やキリスト教でも宗派がいくつもあり、様々な解釈がなされている。

 

ゲンドウ
「諦観された神殺し」というのは 

神と同等と考え 神に戦いを挑んで敗れてしまったルシファーのイメージになる。ただこのルシファーにしても サタンいやサタンではないなど様々な解釈があり ここでは一般的な解釈に当てはめてみた。

 

堕天使ルシファーをサタンとするならば ヨハネの黙示録でそのサタンは 7つの頭、10本の角、頭には7つの王冠という記述がある。ゼーレのモノリスが消去するときに脳の映像が映るので これが7つの頭を連想させる。ゼーレマークの由来と言われる沈黙の子羊も7つの目を持っている。

 

そして創世記の元になったとされる神話の中で 人に知識を授けたのは女神だったと記憶している。解釈の仕方にもよるが このように見ていくと ゼーレはやはり高次の存在と見るのが一番しっくりくる。

聖典の暗号: 旧約聖書と古事記の対比に見る太古の実相

 

エヴァの捉え方は、旧約聖書の捉え方と同じで多数の捉え方があるのだろう

 

3大宗教と言われる、ユダヤ教キリスト教イスラム教も旧約聖書から派生しているし、さらにそこから多数の宗派に分かれている。旧約聖書の創世記が元になっているエヴァも同じで、捉え方は人により多数あって当然なのかもしれない。

人生は「捉え方」しだい 同じ体験で楽しむ人、苦しむ人