ゼーレマークの由来を探る(壱)星空の上で神が裁く、我等がどう裁いたかをはフリードリヒ・フォン・シラーの詩、歓喜に寄せて

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ブロッコリーキャラクタースリーブ ヱヴァンゲリヲン新劇場版 「SEELE」

 

 

ゼーレマークの由来は一般的には沈黙の仔羊と言われているが、沈黙の子羊の絵には文字は書かれていない

 

中央にりんご、りんごの周りには蛇
左右には七つの目

 

七つの目の由来は沈黙の子羊だが、ゼーレマークは沈黙の仔羊をモチーフとして、リンゴと蛇、さらに文字が書かれている。

 

中央の文字は ZEELE(ゼーレ)、その下の文字は

“berm Sternenzelt richtet Gott, wie wir gerichtet.”
星空の上で神が裁く、我等がどう裁いたかを


フリードリヒ・フォン・シラーの詩『歓喜に寄せて』からの引用
(この一節はベートーベン交響曲第9番の第4楽章の歌詞には引用されていない)
フリードリヒ・フォン・シラー(Wikipedia)

 

図柄はりんごと蛇。


知恵の実であるリンゴ、そしてアダムとイブを騙したとされるヘビが描かれている。知恵の実を食べるように、そそのかす蛇が螺旋を巻く。誘惑と欲望、知恵と無知、神と悪魔。相反する2つの意味が、シンボルの中で交差している。

 

シラーの生涯―その生活と日常と創作 (叢書・ウニベルシタス)

 

シンボルは3次元の象徴、分離

 

相反する2つの意味が、シンボルの中で交差しているのは 3次元の象徴のようにも受け取れる。

 

3次元の分離の世界では すべてはコインの裏表だから。


・表と裏

・上と下

・右と左

・マインドと思考

・感じることと考えること

・良いことと悪いこと

・正しいことと間違っていることetc


相反するふたつのことが 必ずセットになってあるってことだ。

 

どちらか一方だけでは分離にはならない。


表しかなければ 裏という概念自体が存在しなくなるので、表という認識もなくなる。

 

また、【良いこと】というのは人の概念でしかないが、【悪いこと】があっ初めて【良いこと】を認識できる。

 

【良いこと】しかなければ【良いこと】という認識はできなくなる。

 

【悪いこと】という比べるものがあって初めて【良いこと】を認識できるのだから。ようするに 分離というのは、相反するものを比べてみることで成り立っている世界だということ。

 

分離というと分かりにくければ 物質世界だということだ。あなたとわたしは 別の人間だと認識するのは物質世界だから。別のものと認識できることが 分離してるってことだ。

 

エデンの園の中央には 命の木と善悪の知識の木と呼ばれる2本の木があった。それらの木は全て食用に適した実をならせたが、主なるエホバ神はアダムに対し善悪の知識の実だけは食べてはならないと命令した。なお、命の木の実はこのときは食べてはいけないと命令されてはいない。その後、女(エバ)が創造される。蛇が女に近付き、善悪の知識の木の実を食べるよう唆す。
旧約聖書 アダムとイブ創世記(Wikipedia)

 
旧約聖書 創世記編

 

7という数字も意味深

 

そして左右に七つの目。


ゼーレのシンボル逆三角形と七つの目は、旧約聖書創世記のヨハネによる黙示録がモチーフになっている。


七つの目の7は 完全さという概念を表わすのに用いられることが多い。
神が世界を創造するのにかかった日数が7日間。

 

創世記 天地創造の流れ


1日目 暗闇がある中、神は光を作り、昼と夜が出来た。


2日目 神は空(天)をつくった。


3日目 神は大地を作り、海が生まれ、地に植物をはえさせた。

4日目 神は太陽と月と星をつくった。


5日目 神は魚と鳥をつくった。


6日目 神は獣と家畜をつくり、神に似せた人をつくった。


7日目 神は休んだ。


創世記(Wikipedia)
天地創造(Wikipedia)

 

7つの目については ヨハネの黙示録に記述がある。


黙示録の仔羊(もくしろくのこひつじ)とは、『ヨハネ黙示録』に記されている羊である。同書の第5章6節

 

「子羊には7つの角と、7つの目があった。この7つの目には、全地に遣わされている神の7つの霊である」とある。

 

続いて12節では「天使たちは大声でこう言った。屠られた子羊は、神の力、富、知恵、威力、誉れ、栄光、賛美を受けるのにふさわしい方である」。

 

『ヨハネの黙示録』は地上の王国の滅亡と神の国の到来を示すものであるが、7つの目の子羊は、その中で上記のような神秘的な霊能を与えられる者として描かれている。


黙示録の仔羊(Wikipedia)神秘(Wikipedia)
旧約聖書創世記 ヨハネの黙示録(Wikipedia) 

 

7つの目の羊は 結局は神秘的ってことだ。神秘とは、人間の知恵では計り知れない不思議、普通の認識や理論を超えたこと。

 

古くは「じんぴ」とも言われていた。英語では「mystery (ミステリー)」「secret(シークレット)」と表される。結局、人の頭でなんぞ考えても 分からないってことになっちゃうな。

 

7という数字は他にもたくさん出てくる。


・七つの教会へのメッセージ


・子羊が七つの封印を開封する


・七人の天使がラッパ(トランペット)を吹く


・最後の七つの災い 神の怒りが極みに達するetc


これら創世記に記述されているものは 解釈も多岐にわたる。

 

これらの記述の中に 真実も隠されているんだろうけど、凡人にはちと難解だ。

 

SEELE(ゼーレ) →ドイツ語で 魂。霊魂。精神。


NERV(ネルフ)→ドイツ語で神経


ゼーレのシンボルマークも、ネルフのシンボルマークも共に旧約聖書の創世記に由来する。もうひとつ、ネルフのゲンドウの部屋の天井の図 “生命の樹”も旧約聖書の創世記に由来がある。

 

まっ、どのみちエヴァだからねぇ。何が正解ってのもないんだろうし、受け取り手の自由ってことになるんだろう。

 

エヴァ自体旧約聖書に関係していることが多いけど、旧約聖書でさえいろいろな解釈があるみたいだし、宗派もたくさんあるわけだから結局のところ正解は人によって違うってことだろう。 

 

七つの封印―いま解き明かされる「黙示録」の全貌