魂が消えても願いと呪いは世界に残る、とはどういうこと?

 

エヴァンゲリヲン新劇場版:Qより


カヲルの言葉はユングの集合的無意識のことなのか

 

 

カヲルの言葉は意味深だ

 

13号機の中で

シンジ
「僕のせいなのか・・・僕が・・・僕が・・・」

カヲル
「君のせいじゃない」

シンジ
「はっ」

カヲル
「僕が13号機の使徒になってしまったからね
僕がトリガーだ」

シンジ
「どうしよう・・・ねえ どうしよう
カヲル君 僕はどうしたらいいの?」

カヲル
「魂が消えても 願いと呪いは世界に残る
意思は情報として 世界を伝い変えていく
いつか自分自身のことも 書き換えていくんだ」

シンジ
「ああぁ」

カヲル
「ごめん これは君の望む世界ではなかった
ガフの扉は僕が閉じる シンジ君が心配することはない」

シンジ
「カヲル君・・・カヲル君が何を言っているかわからないよ」
カヲルが槍を刺す

カヲル
「シンジ君は安らぎと自分の場所を見つければいい」
もう一本の槍を刺す

カヲル
「縁が君を導くだろう
そんな顔をしないで また会えるよ シンジ君」

シンジ
「ぐっ・・・カヲル君!!」

カヲル消滅

 

この状況 シンジにとってはパニックでしかないが、そんなシンジと比べてカヲルはいたって冷静だ。

 

「僕が13号機の使徒になってしまったからね 僕がトリガーだ」
と言っているくらいだから ゲンドウの計画にはめられてしまったことも すべて理解している感じだ。

 

シンジはどうしていいかわからずカヲルにすがるが、カヲルはシンジに対して 諭すように話している。

 

カヲルの言葉は シンジにとっては意味不明でしかないが
「縁が君を導くだろうそんな顔をしないで また会えるよ シンジ君」
と ここでまた シンジに希望を与えるような意味深なことを言っている。

 

やはりカヲルは シンジのハイヤーセルフのような存在に見えてしまう。

 

この状況下でもいたって冷静に見えるし、動揺している感じもしない。世界の秘密をどこまで知っっているのかは分からないが、カヲルの言葉は何かを考えさせられる。

 

「魂が消えても 願いと呪いは世界に残る
意思は情報として 世界を伝い変えていく
いつか自分自身のことも 書き換えていくんだ」

 

カヲルは、願い、呪いは世界に残り、意思が情報として伝えると言う。

 

魂は消えても それらはエネルギー的なものとして残るということなのか、もしそうなら自由に行き来でき 世界を伝い変えていくことが出来るということだろうか?

 

ハイヤーセルフ: 高次自己

 

ん?ユングの集合的無意識のこと?

 

エヴァは心理学?とよく言われるが、なにやら ユングの集合的無意識を連想させる。

 

集合的無意識とは 深い無意識の領域に、個人を越えた、人類の心に普遍的に存在すると考えられる先天的な元型があり、その元型が個人のほうに解体されて使われるということのようだ。

 

元型としてあるものが 解体されて個人にの個性のようなものとしてあるならば、魂が消えても願いや呪いは 元々あるものなので なくなることはないということか?

 

「意思は情報として 世界を伝い変えていく。いつか自分自身のことも 書き換えていくんだ」

 

意思が情報として 世界を伝い変えていくとしても、自分自身の書き換えは どのように起きるものなのかは不明だ。

 

プラスマイナスの バランスをとるようなものなのか、磁石のようにひかれあうものなのか、その辺のところは カヲルの言葉からもわからない。

 

この3次元は分離の世界で 原型が解体 分離して 成り立っているということになるんだろうが

 

「シンジ君は安らぎと自分の場所を見つければいい」
と言っていることから、シンジは 安らぎと自分の場所を見つけるために こんな大変な体験をしている?

 

こんなに大変な体験をしないと 安らぎと自分の場所が見つからないのだとしたら、やはり しんどいと思ってしまう。

 

ただ 経験しないと理解できなかったり 腑に落ちないことはあるだろうから、体験することは必要?必然?なのかもしれない。

 

集合的無意識(しゅうごうてきむいしき、ドイツ語:Kollektives Unbewusstes、英語:Collective unconscious)は、カール・グスタフ・ユングが提唱した分析心理学における中心概念であり、人間の無意識の深層に存在する、個人の経験を越えた先天的な構造領域である。普遍的無意識(ふへんてきむいしき)とも呼ぶ。個人的無意識の対語としてあり、ユングはジークムント・フロイトの精神分析学では説明の付かない深層心理の力動を説明するため、この無意識領域を提唱した。

元型論―無意識の構造