ゲンドウの感情が珍しく垣間見れる瞬間

 

エヴァンゲリオン TVシリーズ

第伍話「レイ、心のむこうに」より

 
ネルフ本部・第2実験場

 

 

零号機、暴走

 

ゲンドウ
「起動開始」

リツコ
「主電源、全回路接続」

マヤ
「主電源、接続完了。起動用システム、作動開始」

マヤ
「稼動電圧、臨界点まで、後0.5、0.2、突破!」

リツコ
「起動システム、第2段階へ移行」

オペレータ
「パイロット、接合に入ります」

オペレータ
「システムフェーズ2、スタート」

オペレータ
「シナプス挿入、結合開始」

オペレータ
「パルス送信」

オペレータ
「全回路、正常」

マヤ
「初期コンタクト、異常無し」

オペレータ
「左右上腕筋まで、動力伝達」

オペレータ
「オールナーブリンク、問題なし」

マヤ
「チェック2550(ニーゴーゴーマル)まで、リストクリア」

リツコ
「第3次、接続準備」

マヤ
「2580(ニーゴーハチマル)までクリア」

マヤ
「絶対境界線まで、後0.9、0.7、0.5、0.4、0.3、パルス逆流!」

オペレータ
「第3ステージに、異常発生!」

オペレータ
「中枢神経素子にも、拒絶が始まっています!」

リツコ
「コンタクト停止、6番までの回路を開いて!」

マヤ
「だめです、信号が届きません!」

マヤ
「零号機、制御不能!」

ゲンドウ
「実験中止、電源を落とせ!」

リツコ
「はい!」

リツコ
「零号機、予備電源に切り替わりました!」

オペレータ
「完全停止まで、後35秒!」

リツコ
「危険です、下がってください!」

マヤ
「オートエジェクション、作動します!」

ゲンドウ
「いかん!」

オペレータ
「完全停止まで、後10秒、8、7、6、5、4、3、2、1、0」

リツコ
「特殊ベークライト、急いで!」

ゲンドウ
「レイ!」

 

完全停止までの35秒の間に ゲンドウ達のいるオペレーター室にパンチ。
ゲンドウはひるむことなく立ち続けている。
零号機のパンチ3連続でガラスが割れる。

感情・人格心理学:「その人らしさ」をかたちづくるもの (公認心理師の基本を学ぶテキスト 9)

 

ゲンドウの人らしい一面、揺れる感情

 

零号機が暴走して オペレーター室のガラスが割れ どう見ても危険な状態極まりないのに、ひび割れたガラスの前でこの時のゲンドウは微動だにしない。リツコの声も届かない。まるで何かを見据えているような表情だ。

 

零号機完全停止と同時にエントリープラグが射出されると 待っていたようにゲンドウが駆け寄る。この時のゲンドウは エヴァの中で唯一といっていいくらい動揺している。ゲンドウがここまで感情を顔に出すのは珍しい。

 

エントリープラグに駆け寄り ジュっという音とともに自身の手がやけどするのもいとわず 素手でハッチを開ける。レイが無事なのを確認すると同時に「そうか」と言っていつものゲンドウに戻る。

 

ゲンドウのメガネは落ち 熱で壊れる。
この時のメガネを レイはずっと持っている。
この様子を見ていたリツコの表情はとっても複雑だ。

 

どれだけレイのことが心配なのかと思うが、まあゲンドウの人類補完計画はレイなしでは成り立たない。


これほどまでにゲンドウの表情が変わり 感情が変化するシーンは他では見られない。ゲンドウでも感情があるんだと思える希少なシーンだ。 

 

この時のゲンドウ表情はなんともいえない。あの冷静沈着なゲンドウとは思えない表情だ。ゲンドウも人ということか。
どんなに感情がないように見えても やはりゲンドウも感情がある人だった。

感情心理学ハンドブック

 

そして 零号機はナゼ暴走したのか・・・?

 

リツコ
「綾波レイ14歳、マルドゥックの報告書によって選ばれた最初の被験者、ファーストチルドレン」

リツコ
「エヴァンゲリオン試作零号機専属操縦者」

リツコ
「過去の経歴は白紙、全て抹消済み」

ミサト
「で、先の実験の事故原因はどうだったの?」

リツコ
「いまだ不明。ただし、推定では操縦者の精神的不安定が、第一原因と考えられるわ」

ミサト
「精神的に不安定?あのレイが?」

リツコ
「ええ、彼女にしては信じられないくらい、乱れたのよ」

ミサト
「何があったの?」

リツコ
「分からないわ。でも…まさか…」

ミサト
「何か、心当たりがあるの?」

リツコ
「いえ、そんなはずはないわ」

 

リツコの言葉
「分からないわ。でも…まさか…」
「いえ、そんなはずはないわ」の意味は?

 

リツコはゲンドウと愛人関係にある。


それをレイが知っていたとは思えないが、無意識レベルでは何かを感じていたのか?


零語域とのシンクロで何かが起きたのか?

 

その謎が解かれる


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