アスカ、マウントをとる

 

エヴァンゲリオン TVシリーズ

第九話「瞬間、心、重ねて」より

 

 

シンジに対して マウントはとりやすい?

 

ミサト
「先の戦闘によって 第3東京市の迎撃システムは大きなダメージを受け、現在までの普及率は26%、実践における稼働率は0と言っていいわ。したがって今回は 上陸直前の目標を水際で一気にたたく。初号機並びに弐号機は 交互に目標に対し波状攻撃、近接戦闘で行くわよ」

シンジ、アスカ
「了解」「了解」

アスカ
「あ~あ、日本でのデビュー戦だっていうのに どうして私一人に任せてくれないの!」

シンジ 
「仕方ないよ、作戦なんだから」

アスカ
「言っとくけど、くれぐれも 足手纏いになるようなことはしないでね!」

シンジ
「う、うん」

アスカ
「なんであんなのが パイロットに選ばれたのっ!」

アスカ
「二人がかりなんて卑怯でヤダな、趣味じゃない」

ミサト
「私たちは 選ぶ余裕なんてないのよ、生き残るための手段をね」

アスカ
「じゃ、あたしから行くわ、援護してね!」

シンジ
「え、援護・・・」

アスカ
「レディーファーストよ!」

シンジ
「チエッ、後から来たくせに仕切るなよな」

アスカ
「行ける!」

シンジ
「ハッ」

アスカ
「ぬぁぁぁっーーー!」

シンジ
「お見事」

アスカ
「どう?サードチルドレン、戦いは常に無駄なく美しくよ」

シンジ
「アッ」

アスカ
「アッ」

使徒イスラフェル復活 2体に分離

ミサト
「なんてインチキ!!!」

シンジもアスカも簡単にやられてしまう。

アスカ
「もぉう~、あんたのせいで せっかくのデビュー戦が めちゃめちゃになっちゃったじゃない!」

シンジ
「何言ってんだよ!惣流がマヌケなことしただけじゃないか!」

アスカ
「マヌケ!どうしてグズなあんたがそんなこと言えるのよ!図々しいわね」

シンジ
「あん!?なんだよ、焦って倒そうとするから 大変なことになるんだろ!」

アスカ
「なによ!」

この後も 二人の言い合いは続く。

冬月
「全く!恥をかか背負って!」

シンジとアスカは 冬月に「協力し合って」と言われるが二人同時に「なんでこんなヤツと!」と反目し合う。

冬月は「もういい」と言って あきれてしまう。

 

先の水中戦で 第6使徒ガキエルに勝利した実績があるからか シンジがいなくても 自分一人で使徒を倒せると アスカは自信満々だ。自分から前に出ることがないシンジに対しては 余計にマウントをとりたくなるのかもしれない。

 

レディーファーストといって 使徒イスラフェルに向かい やった!と思いきや、そう簡単に行くはずもなく 使徒殲滅とはいかない。

 

アスカにしてみれば シンジのせいにしたくもなるのだろう。シンジも「チエッ、後から来たくせに仕切るなよな」とは言い返すが、あすかは我関せずで 自分のデビュー戦がめちゃめちゃになったと不満たらたらだ。

 

シンジとアスカの言い争いは 公の場にさらされて 大人の冬月にとっては 恥以外の何物でもないが、そんなこと二人には全く関係なく 言い争いは続く。やはりそこは14歳だ。

「とにかく優位に立ちたい人」を軽くかわすコツ

 

マウントをとる理由は 人それぞれ

 

アスカは 出来ることの証明がしたくてマウントをとるが、それはアスカ自身が努力してきた証でもあるわけで、何でもかんでもマウントをとるわけではない。

 

マウントとは 優位性を示したり 威圧的な態度をとったりして、自分の優位性を相手に認めさせることに他ならない。マウントは 一方的に攻撃できる 格闘技のポジションで使われている言葉が由来となっている。

 

マウントをとる行動は「承認欲求」であることが多い。他人に認められることで 自分には価値があると思えるので、自己肯定感が低いと、アスカのような行動をとる人は 意外と多いと思う。

 

他には 自分が正しいと信じている人も マウントをとったりする。これは「自分は正しい、あなたは間違っている」ということで、自分の優位性を示したい人が多い。

 

また 人より自分の方が優れていたい人もマウントをとったりする。人より格上でいたいという心理は、社会的ステータスや 家や車などについても 格上でありたいと思っていたりする。

 

他に 本当の自分自身を認めたくないので、マウントをとり 相手にスゴイ!と思ってもらうことで 自己肯定をしたつもりになれる。これは本当の自分を認めなくて済む いい方法になる。

 

マウントをとる人は 自分より凄いと思う人には劣等感を覚えることが多く、劣等感があるからこそ マウントをとって 自分の優位性を証明しようとすることが多く、それにより安心感を得ているといえるだろう。 

劣等感という妄想 禅が教える「競わない」生き方