第3新東京市はパラダイスの街か臆病者の街か

 

エヴァンゲリオン TVシリーズ

第拾七話 「四人目の適格者」より

EPISODE17:FOURTH CHILDREN

 

米国ネルフ第2支部が S2機関実験中のEVA4号機と共に跡形もなく消滅

マルドゥック機関は 残るEVA3号機の搭乗要員フォースチルドレンの選出を急務とし、その決定は人々に捉え所のない不安と苛立ちを与える

何も知らないシンジの側で 四人目の適格者に選ばれていた彼の心に去来するものは
迫りくる悲劇を前に 夕暮れの学舎は静寂に包まれていた

 

 

第3新東京市はパラダイスの街か臆病者の街か

 

冬月
「街、人の作り出したパラダイスだな」

ゲンドウ
「かつて楽園を追い出され、死と隣り合わせの地上と言う世界に逃げるしかなかった人類」

ゲンドウ
「そのもっとも弱い生物が、弱さゆえ手に入れた知恵で作り出した自分達の楽園だよ」

冬月
「自分を死の恐怖から守るため、自分の快楽を満足させるために自分達で作ったパラダイスか」

冬月
「この街がまさにそうだな。自分達を守る、武装された街だ」

ゲンドウ
「敵だらけの外界から逃げ込んでいる臆病者の街さ」

冬月
「臆病者のほうが長生きできる。それも良かろう」

冬月
「第3新東京市、NERVの偽装迎撃要塞都市、遅れに遅れていた第7次建設も終わる。いよいよ、完成だな」

冬月
「4号機の事故、委員会にどう報告するつもりだ?」

ゲンドウ
「事実の通り、原因不明さ」

冬月
「しかし、ここにきて大きな損失だな」

ゲンドウ
「4号機と第2支部はいい。S2機関もサンプルは失ってもドイツにデータが残っている」

ゲンドウ
「ここと初号機が残っていれば十分だ」

冬月
「しかし、委員会は血相を変えていたぞ」

ゲンドウ
「予定外の事故だからな」

冬月
「ゼーレも、慌てて行動表を修正しているだろう」

ゲンドウ
「死海文書にない事件も起こる。老人にはいい薬だよ」

 

冬月とゲンドウは 第3新東京市をパラダイスの街と言う

 

もっとも弱い生物が、弱さゆえ手に入れた知恵で作り出した自分達の楽園

 

それは

自分を死の恐怖から守るため

自分の快楽を満足させるため

 

すべての元は恐怖からきているということだろう

 

そう考えれば その恐怖から守られている第3新東京市はパラダイスになる
知恵と技術で 恐怖を最低限にしてくれる街
生き残るための街

 

使徒がいつ攻めてくるともわからないこの場所で「この街はパラダイス」と言えてしまう二人の会話は ある意味達観している感がある

 

そう思わなければやっていられないという感情なのか ただ単に現実を指してそのような言い方になったのか

 

たぶん この二人のことだから もう達観しているんだろうと思う

 

かといって 次の会話では

 

敵だらけの外界から逃げ込んでいる臆病者の街さ

臆病者のほうが長生きできる。それも良かろうとも

 

まるでパラダイスとは逆で 臆病者の街と言う

 

この二人はある意味 物事を俯瞰で見ているなぁと
ひとつの物事には 見方を変えれば別の側面がある


ねんどろいど ヱヴァンゲリヲン新劇場版 碇ゲンドウ ノンスケール プラスチック製 塗装済み可動フィギュア

 

第3新東京市はパラダイスの街でもあり臆病者の街でもある

 

二人の会話は なかなかに面白い

 

確かに物事にはいろいろな側面があるが 

パラダイスの街でもあり臆病者の街でもあると 同時に見ている感覚が凄いなぁと

 

地球は3次元で分離の世界だ

 

・上下

・左右

・前後

・善悪

・正誤

 

相対するものが対となって存在する
ゲンドウと冬月の会話は それを上手く表現している

 

事象はひとつではないこと
見る人の主観によって変わること

 

物事を見るとき あえて逆の側面を見てみると 今までは思いもしなかった何かが 見えてくるかもしれない

 

考え方や見方を多様化出来たら ひとつのことに執着することも減るかもしれないし 生きることも楽になるような気がする

 

世界は自分で創る 下3 201705-201812 「分離・無価値感」から「統合・the ONE」へ


[セット売可]エヴァックリマンシール 新劇場版q 冬月コウゾウ